**Breast cancer~Stage zero**

ステージゼロの非浸潤癌・乳がんの体の記録です

⑪MRI

7月28日

 

実家帰省と旅行の間にMRIを挟んでいたわ

 

病院にはCTしかないので、提携先の病院まで出向いた

 

最新器機を揃えたドックや各分野専門の健診&検診の病院らしい(他にもやっているのかもだけど)

予約の時間になると着替えを指示されサクサクとMRI室へ通されれる。

 

中に入るとなかなかの音量でテクノポップな音楽が流れていた

 

点滴を繋がれる

後に造影剤を入れるためのものだ

 

うつ伏せに寝るように指示される

胸の所には穴が開いていて胸を出す形

 

轟音と共に機械が動き出す

輪切りにされてる音

 

造影剤を入れるアナウンス

体が熱くなってきた

 

何だかんだで30分程で終了

 

お会計を済ませ

画像の出来上がりを待つ

 

しばらくした後、画像を渡されて仕事場に向かう

こんな大荷物と共に出勤とは…

気が重い

途中、大きめの公園を横切ったらポケモンGOをしてるらしき人だかりが

後で聞いたらピカチュウの巣だったらしい

 

さ、仕事。

 

また旅行明けに画像持参で診察に行くのみ

次は旦那も持参で。

 

あとは祈りながらひたすら次回をまたなければならない

暑い…

 

無になる

自分の体に癌がある

 

それは本当なのか

 

気付いてみたら私は何も書面を見ながら説明を受けたわけではない。

医師の冷静な説明を淡々と聞き

受け止めきれない私を気遣ってか

あまり多くを専門用語で一気に話さなかった医師

 

何で癌が出来たのか

これは誰しも思うであろう事

 

じゃあ、何で私が?

これも皆思うであろう

 

でも実際癌専門病院の医師が言っていたのだから間違いない

 

間違いだと言って欲しい

 

なってしまったのはもう仕方ない

 

毎日こう考えると頭がおかしくなりそうだった

 

楽しい夏にするはずだった

怠さが抜けない毎日の中でも

気分を変えてまたこれからもまた頑張ってお仕事に家事に育児に妻と母、1人の社会人としても頑張る為に。

 

でも私は

私は

 

夏が何だか遠く、他人事のように淡々と過ぎていき

夏の眩しい陽射しも私の目の中までは入らなかったようだ

実家に帰省した際も普段の自分を心掛け

普通を装い会いたくなくても友達と会った

笑いたいわけではないのに

笑うと凄く疲れた

 

時間よ早く過ぎろ

 

旅行も重い体を引きずって旅立つのは初めてだった

ただただ、無

 

せめて癒されて帰って来よう

キャピキャピとはしゃぐ街、旅程にしていなかったのが救いだった

壮大な気色を見て少し現実と向き合い

なるようになるんだから、なんて

思えたから旅行って

というか、そこの神秘的な土地のパワーに感謝

 

夏は暑かった

それ以外

私は何も感じていない

 

こんなにも静かに1人で考える事自体が久しく

荒れた気持ちも次第に落ち着き気持ちは凪いでいた

 

 

MRIと実家と旅行と

癌告知をされた日

そういや医師が詳しく癌の範囲を調べるのに造影剤を入れてMRIを撮りましょう、と言っていた時の事

 

日程調整を医師と看護師としていたら

 

「この日は?」

 

実家に帰宅するので無理そうです

 

「遠いの?何日間?あらまあ、良いとこね、ゆっくり甘えてきたら良いわね。それならちょっとまたいでこの日辺りはどう?」

 

りょ、旅行に、行きます。

 

「えっ?どこまで?えーっ!何日間?まあまあまあ!楽しみね。そしたら日にちどうしましょうか」

 

………って感じで

実家から帰宅した次の日にMRIを入れてもらいました。

スタッフに無理いって仕事を交代してもらい毎回毎回仕事場にバレないように病院通いの調整。

 

※今は唯一、責任者には伝えて調整を協力してくださるのが救いです。

有難いし感謝ですね。本当に。

 

 

医師と看護師さんも最後には明るく

「癌だって知ってしまっても実家でのんびりしたらいいし、旅行だって思い切り楽しんできなさいね‼」

 

って言ってくださった

 

 

 

 

楽しめる訳無い

 

********************

 

正直、体が凄く怠くて辛くて去年の後半あたりから感染症にも見事に片っ端からかかったりしていた

 

だるい、ねむい、疲れがとれない

この3つは常にお友達

 

正直、旅行は楽しみと言うよりかは頑張って行けるかな?って不安で不安で仕方なかった

 

 

でも乳癌だと言われて悲しい中で

私の中でやっぱりな、と思えた自分も居たのも確か。

 

 

初めて経験する体の怠さ

何をしても疲れが取れない

どうしたの体、何すればいいの?

 

その答えが癌だって

 

 

楽しい夏

今年は過ごせるのか

ドンマイ私

癌告知のあとで

とにかく、帰宅して旦那や妹には顔を見て伝える勇気はなかった

 

でも結果を気にしている事でしょう

 

……メールでごめんなさい

 

とりあえず二人にはメールした

 

 

家に帰宅するまで

帰宅してからも

 

記憶はほとんど無い

 

ただただ今まで生きてきた世界は本当にここだったのか

 

不思議で不可思議で何も信じられなかった

 

 

別世界

 

夢でありますように

 

そんな事思いながら、背中に伝う汗を生々しく感じると絶望に落ちていく

 

 

現実なのか

 

 

 

こんな気持ちをしばらく朝から晩まで感じる日々が続くのだ

 

 

よし!頑張る‼

嘘だ!信じない‼

 

その繰り返し

 

 

ただ空はいつもより遠く果てしなく広く…

 

 

空を見上げて何も考えず

ただ、眺めていたように思う。

 

 

その日は子供の前では今までの私に戻り早くに床に着いた

 

主人の帰宅を待たずに

 

 

母親の私にはくよくよする時間など無いのが本当に有り難かった。

 

忘れさせてくれるのだ

 

朝起きたらこのまま、何も無いまま今までの私に戻ってるのかも。きっときっと‼

 

おやすみなさい悪夢の中のわたし

⑩ 針生検・検査結果

7月19日

AM10:00

お休みの日だったので、さっさと検査結果を聞いてさっさと帰る予定で早めの時間を予約しておいた。

 

周辺の人々にはおパイが痛いのなんのって‼

で、検査したんだ等と話しまくっていたので

何と……まぁ、馬鹿って言うか何と言うか。

 

いつものように病院へ着くと受付を済ませて呼ばれるのを待つ

 

医師は3名常駐がほとんどで、同じ時間帯でもすでに沢山の患者さんがいるのだ

 

雑誌を手に持ち数ページめくるとすぐに診察室へ呼ばれた

 

早いな

 

ドアを開くと主治医の女医が椅子に座るように促す

 

開口一番、

 

 

 

 

何か分かる?

誰だって安易に予想がつく言葉

 

「残念ながら結果は悪性の乳癌だと出ました」

 

もちろん言葉なんて出ません

 

「でもね、かなり初期も初期の乳癌ですよ」

 

医師は丁寧に続けます

非浸潤ガンといって乳管内にまだ留まっている比較的大人しいタイプのガンなんだと

ステージは0なんだと

リンパにもまだ転移はしていないだろうと

しかし、範囲が広いのが気になると

その時は全摘出になるのだと

無くなった胸をどうするのか

手術と同時に形成外科と連携して再建もできるとか

それとも少し日を置いて落ち着いてから再建も出来るとか

 

 

ほ、本当に癌なんですか?

 

 

やっとの思いで絞り出すように医師に聞いたと思う

 

「3ヶ所採取して3ヶ所共に悪性だったので間違いないと思う」

 

女医の顔をまじまじと見る

この人童顔だけど少し年上かもなぁ

癌宣告って淡々とだなぁ

微笑みも出来ないし、辛い顔も出来ないし

 

「いっぺんに話しても頭がパンクしちゃうよね?今日は誰か付き添いの方はいらっしゃる?」

 

いえ、さっと聞いてさっと帰ろうと思っていたので一人で参りました

 

「そっか。質問はある?何もまだ考えられないかな?…前もそんな感じだったものね。」

 

……………えぇおっしゃる通りです、

 

医師は私のマンモグラフィ見た瞬間から多分、そうだろうと予想していたのかも知れない。

 

この医師が○○かも、って言葉の隅に出るとだいたいそうなる、ってか専門病院ですから膨大な経験あるんだろうなー

 

いやな予感

 

多分、私のパイさん、きっと全摘出になりそうだな(絶望)

 

 

診察室をあとにして看護師と別室に移動する

 

看護師さんは経験豊富な頼れそうな人だった

 

また先程の医師が話した内容を書面で図解と共に丁寧に説明してくださった

 

「心配事はない?」

 

涙が溢れる

 

「先生の前でお話きちんと聞けて偉かったね」

背中をトントンされて優しさが身に染みた

 

 

再建の話やお金の話

 

でも私が1番悔しくて辛かったのが

先生の口振りでは

 

全摘出

 

私のパイさん、無くなってしまうこと

 

途方に暮れた

 

涙を拭くも次から溢れる

 

看護師さんは最後まで誠意いっぱいに対応してくださって有りがたかった

 

 

お会計までずっとうつむき足早に病院をあとにする

 

 

⑨生検後の診察

生検翌日に医師の診察があった。

 

経過を診るために傷口を看て終了

 

検査結果は3週間後だそうだ。

 

長いな

ま、なんだかんだ病院へ通わなくてもいいから楽なんだけど。

 

 

********************

 

この頃の私はまだまだ軽い気持ちで検査の事には何も重きを置いてなどいなかった

 

ただ、検査してどうせ良性だろうし、等と根拠の無い自信

 

なので、ネットで調べたり等もしなかった

 

ただただ毎日がしんどくて体を引きずり、仕事や家事や育児に

目の前の事をするだけで精一杯

 

何にも考えてなど

 

考える余裕がなかったのだ。

 

 

⑧マンモトーム生検

その日は仕事を3時に切り上げて、暑い西日が傾く中病院へと急いだ。

 

マンモトーム生検を受ける場所は外来のあるビルとは道を挟んで向かい側にある。

 

初めて訪れる場所

 

こぢんまりとしてはいるが、丸々一棟のビルディングだ。

 

1階で受付を済ませると2階に案内され、着替える

直ぐ様また1階の検査室に案内され、荷物を置くと奥の部屋へ進むと昇降式のベッドが。

 

言われるまま1m位の台を登りベッドにうつ伏せに

ベッドには穴が空いていてそこへパイさんを出す形になる。

30cm位の穴だ

手は万歳の体勢

はぁ~

見えないだけに不安・・・

 

台がこれでもか!ってくらいに高く上げられる。

 

下ではカチャカチャと人間が作業するんですものね、そりゃあね、スペースは必要よね。

 

なんか、分娩台へ上がるより緊張するなぁ

 

「では初めに局所麻酔していきますね」

で、ブスっちくっ、と数ヶ所

効いてるんだか効いてないんだかてんで分からん

 

程なくマンモグラフィ撮りながら、正確な位置を決める作業に入った

皆様ぞろぞろと別室へ

皆様また私の元へ

 

ん?位置も決まり印を付けるとな?

何時何分の方向ね‼

で、ここからがマンモトーム生検の始まり

 

「行きますよー」

 

機械音がしてきた

作業風景とは逆に壁側に顔を向かされているので、なぁーんも見えない。

パチンッ‼と音がして太い針を刺したようだ。

ビュイィーーーン、パイさん吸われてる気がする

この流れを2回繰り返す

 

だが、、、、、

 

3回目のパチンッ‼

が何かやな予感‼

 

これは、もしや

 

ビュイィーーーン‼

 

いってーーーーーーーっっっっ‼Σ(T▽T;)

 

もう絶対に動くな‼って言われてたから

やり直しも絶対に嫌だったから大声出しました‼

 

慌てた看護師が体を抑えてきたけど

終了

 

はぁ。。。。死ぬかとオモタ

 

「組織がちゃんと取れたか確認しますね」

と皆様別室へ

 

作業自体はそんなに時間はかからなかったと思う

 

かなり手慣れていらっしゃる

それに裁け方半端ない

女医さんて冷静すぎてサバサバしてて

サバ川サバ子さん多すぎに思う。

 

「良かったね❗ちゃんと組織が取れていましたよ❗」

 

…そりゃ良かった

 

台が降ろされ、仰向けになるよう促される

看護師による10分間の圧迫の止血があった

 

ぐるじぃ………………

 

この10分間、看護師さんも疲れるやろうに、、、で終了

 

 

お次は

起き上がって腰かけろと言われる

医療テープをはられて胸帯をぎっちり締められてこれにて完全に終了。

 

医師によると、年間たまに1~2人くらい痛みがある人がいるとの事で珍しいんだとか。

 

私は胸の痛みで病院へ来たのだと言うと、痛みと病状は別物だと考えていい、と言われた

 

この先生もか。

 

検査室を後にして2階へ行き、用意していた処方箋の鎮痛剤を飲んだ。

着替えてから1階の受付に戻る。

 

本日のお会計、23000円(保険適用、3割負担分)

 

前もって知らされていたけどね、たっかいわ~💦

 

今日は運動や風呂は自粛とのこと。

汗をかいて気持ち悪い季節にこれは、きついな~

 

ゆっくりと帰宅する

今日はゆっくりしよう。

させてもらおう。

 

私のパイさんもお疲れ様。