⑩ 針生検・検査結果
7月19日
AM10:00
お休みの日だったので、さっさと検査結果を聞いてさっさと帰る予定で早めの時間を予約しておいた。
周辺の人々にはおパイが痛いのなんのって‼
で、検査したんだ等と話しまくっていたので
何と……まぁ、馬鹿って言うか何と言うか。
いつものように病院へ着くと受付を済ませて呼ばれるのを待つ
医師は3名常駐がほとんどで、同じ時間帯でもすでに沢山の患者さんがいるのだ
雑誌を手に持ち数ページめくるとすぐに診察室へ呼ばれた
早いな
ドアを開くと主治医の女医が椅子に座るように促す
開口一番、
ざ
ざ
ざ
何か分かる?
誰だって安易に予想がつく言葉
「残念ながら結果は悪性の乳癌だと出ました」
もちろん言葉なんて出ません
「でもね、かなり初期も初期の乳癌ですよ」
医師は丁寧に続けます
非浸潤ガンといって乳管内にまだ留まっている比較的大人しいタイプのガンなんだと
ステージは0なんだと
リンパにもまだ転移はしていないだろうと
しかし、範囲が広いのが気になると
その時は全摘出になるのだと
無くなった胸をどうするのか
手術と同時に形成外科と連携して再建もできるとか
それとも少し日を置いて落ち着いてから再建も出来るとか
ほ、本当に癌なんですか?
やっとの思いで絞り出すように医師に聞いたと思う
「3ヶ所採取して3ヶ所共に悪性だったので間違いないと思う」
女医の顔をまじまじと見る
この人童顔だけど少し年上かもなぁ
癌宣告って淡々とだなぁ
微笑みも出来ないし、辛い顔も出来ないし
「いっぺんに話しても頭がパンクしちゃうよね?今日は誰か付き添いの方はいらっしゃる?」
いえ、さっと聞いてさっと帰ろうと思っていたので一人で参りました
「そっか。質問はある?何もまだ考えられないかな?…前もそんな感じだったものね。」
……………えぇおっしゃる通りです、
医師は私のマンモグラフィ見た瞬間から多分、そうだろうと予想していたのかも知れない。
この医師が○○かも、って言葉の隅に出るとだいたいそうなる、ってか専門病院ですから膨大な経験あるんだろうなー
いやな予感
多分、私のパイさん、きっと全摘出になりそうだな(絶望)
診察室をあとにして看護師と別室に移動する
看護師さんは経験豊富な頼れそうな人だった
また先程の医師が話した内容を書面で図解と共に丁寧に説明してくださった
「心配事はない?」
涙が溢れる
「先生の前でお話きちんと聞けて偉かったね」
背中をトントンされて優しさが身に染みた
再建の話やお金の話
でも私が1番悔しくて辛かったのが
先生の口振りでは
全摘出
私のパイさん、無くなってしまうこと
途方に暮れた
涙を拭くも次から溢れる
看護師さんは最後まで誠意いっぱいに対応してくださって有りがたかった
お会計までずっとうつむき足早に病院をあとにする