**Breast cancer~Stage zero**

ステージゼロの非浸潤癌・乳がんの体の記録です

無になる

自分の体に癌がある

 

それは本当なのか

 

気付いてみたら私は何も書面を見ながら説明を受けたわけではない。

医師の冷静な説明を淡々と聞き

受け止めきれない私を気遣ってか

あまり多くを専門用語で一気に話さなかった医師

 

何で癌が出来たのか

これは誰しも思うであろう事

 

じゃあ、何で私が?

これも皆思うであろう

 

でも実際癌専門病院の医師が言っていたのだから間違いない

 

間違いだと言って欲しい

 

なってしまったのはもう仕方ない

 

毎日こう考えると頭がおかしくなりそうだった

 

楽しい夏にするはずだった

怠さが抜けない毎日の中でも

気分を変えてまたこれからもまた頑張ってお仕事に家事に育児に妻と母、1人の社会人としても頑張る為に。

 

でも私は

私は

 

夏が何だか遠く、他人事のように淡々と過ぎていき

夏の眩しい陽射しも私の目の中までは入らなかったようだ

実家に帰省した際も普段の自分を心掛け

普通を装い会いたくなくても友達と会った

笑いたいわけではないのに

笑うと凄く疲れた

 

時間よ早く過ぎろ

 

旅行も重い体を引きずって旅立つのは初めてだった

ただただ、無

 

せめて癒されて帰って来よう

キャピキャピとはしゃぐ街、旅程にしていなかったのが救いだった

壮大な気色を見て少し現実と向き合い

なるようになるんだから、なんて

思えたから旅行って

というか、そこの神秘的な土地のパワーに感謝

 

夏は暑かった

それ以外

私は何も感じていない

 

こんなにも静かに1人で考える事自体が久しく

荒れた気持ちも次第に落ち着き気持ちは凪いでいた